
なにかしらの債権の発生要因(契約・事務管理・不当利得・不法行為etc)によって発生した債務について,一番手っ取り早く消滅させる方法ってなんなんだろう?
やっぱり一番オーソドックスな弁済が最も手っ取り早いの?
本記事は,民法519条の免除について解説をしています。
本記事を読むことで,以下を達成できるように執筆しています。
- 免除の法的効果が理解できる
- 免除の法的性質を知ることができる
記事の信頼性
本記事は,4ヶ月の独学で試験に一発合格した当ブログの管理人の伊藤かずまが記載しています。
現在は,現役行政書士として法律に携わる仕事をしています。
参考:独学・働きながら・4ヶ月・一発(202点)で行政書士試験に合格した勉強法
参考:筆者を4ヶ月で合格に導いた超厳選の良書たち
読者さんへの前置き
※赤文字は,試験対策として絶対に知っておくべき単語・用語・概念・考え方,その他重要ポイントです
※太文字は,解説中で大切なポイントです
※本記事は,2020年4月1日施行の民法改正に対応しています
※本ブログでは,記事内容を要約したものを先に【結論】としてまとめ,その後【解説】で詳細に説明をしていますので,読者さまの用途に合わせて柔軟にご利用ください!!
【結論】債権を最も手っ取り早く処分できる方法=免除
民法519条 【免除】
債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は、消滅する。
債権者が債務者に対して,一方的な意思表示(単独行為)をすることで,債権を消滅させることができる旨を定めた条文です。
債権(と債務)を消滅させる行為として,民法は弁済(473条)・相殺(505条)・更改(513条)・免除(519条)・混同(520条)を定めておりますが,債権者の一存で債権債務関係を瞬時に解消できる点で,債権を消滅させられる行為として最も簡易で手っ取り早いものといえます。
【解説】免除は債権者の一存で実行可能
免除は”債権編 第6節 債権の消滅”の仲間のひとり
民法には,債権の消滅という法的効果を発生させる制度として代表的なものを5つ,民法典の債権編第6節に規定しています。
免除はそのうちのひとりです。
債権の消滅の5つの制度をまとめると次のとおりです。
【債権の消滅 5つ】

免除は単独行為
免除の方法は,民法519条に『債務を免除する意思を表示したとき』とあるとおり,債権者が意思表示をすることとされています。
債権者は,債権の所有権を有しているのですから,所有権に基づいて,その所有する債権を放棄して処分する権利も有しています。
とは言うものの,債権は姿かたちの無い権利ですので,燃えるゴミの日に捨てることができません。
そこで,本条にて,債権の放棄方法は意思表示でやってね,と定めているのです。
所有権者が,所有物を自身の一存で処分できるのですから,債権も債権者の一存で処分できるべきですので,免除も債務者の承諾が不要の一方的な意思表示,すなわち単独行為とされています。
※単独行為は,法律行為のひとつです。 法律行為についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
また,免除契約も有効と考えられています。
つまり,債権者と債務者との間で,「債権者は,この債権の請求権を放棄し,債務を消滅させます。」というような旨の契約を結んで,免除効果を発生させることが可能ということです。
解説はここまでです。 読んで頂きありがとうございました!

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※次条の解説はこちらです。
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参考文献など
参考文献
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