第6章 地役権

民法289条:承役地の取得時効完成による地役権の消滅をわかりやすく解説

2022年6月17日

伊藤かずま

国際行政書士(第21190957号)
宅地建物取引士合格(未登録)
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第三者である誰かに承役地が占有され続けて,取得時効が完成した時,地役権はどうなるの?

本記事は,承役地の取得時効が完成することでの地役権の消滅と,理解のポイントの“取得時効は原始取得”を解説しています。

 

記事の信頼性

本記事は,4ヶ月の独学で試験に一発合格した当ブログ管理人の伊藤かずまが記載しています。
現在は,現役行政書士として法律に携わる仕事をしています。

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読者さんへの前置き

赤文字は,行政書士・宅建・公務員試験対策として絶対に知っておくべき単語・用語・概念・考え方です
太文字は,解説中で大切なポイントです
※本記事は,2020年4月1日施行の民法改正に対応しています

 

結論:承役地に取得時効が完成すると,地役権は消滅する

承役地の占有者が取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、地役権はこれによって消滅する

民法289条 【承役地の時効取得による地役権の消滅】

承役地を,誰かが占有し続け,取得時効が完成した場合は,地役権が消滅します。

これは,承役地を時効取得した者は,“地役権のくっついていない完全な承役地所有権”を手に入れる,ということを意味します。

 

解説:地役権の消滅は,取得時効が原始取得であることが理由

取得時効は,原始取得とされています

取得時効が原始取得であることの理由をキチンと理解していると,本記事の解説より理解が深まります!
 取得時効が原始取得であることの理解に不安のある方は,以下の記事を先に読んでから戻ってから読み進めてみてください。

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原始取得とは,承継取得の対となる概念で,ある権利を,前の持ち主の権利の影響を受けず,権利を取得することです。

 

したがって,原始取得である取得時効による所有権の取得は,“前所有者から譲渡されて取得するのではなく,原初的に自分の物であるとして取得”します。

“原初的に自分の物であるとして取得”は,新しく建てたマイホームの所有権を手に入れるケースを想像すると,イメージしやすいかと思います。

前の所有者の影響を受けず,自身の完全なマイホームの所有権を手に入れる,というのが,“原初的に自分の物であるとして取得”する原始取得です。

 

”地役権の”取得時効も,もちろん原始取得です。

よって,承役地を取得時効で手に入れた者は,原始取得により,前の持ち主の権利の影響を受けず,自身の完全な(何も余計な権利が付属していない)承役地の所有権を手に入れることになります

したがって,原始取得の性質により,承役地を時効取得した際に,地役権は剥がされ,地役権は消滅することになります。

 

解説はここまでです。 読んで頂きありがとうございました!

 

※前条の解説はこちらです。

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※次条の解説はこちらです。

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参考文献など

この記事は以下の書籍を参考にして執筆しています。 より深く理解したい方は以下の基本書を利用して勉強してみてください。 必要な知識が体系的に整理されている良著なので,とてもオススメです。

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最後まで読んでくださりありがとうございました!

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