民法の債権編のトップバッターの民法399条って…一体何を言っているの?
本記事は,民法399条の内容や,債権の目的の意味をわかりやすく解説しています。
本記事を読むことで,以下を達成できるように執筆しています。
- 民法399条の存在意義を知ることができる
- 『債権の目的』という用語の意味を知ることができる
記事の信頼性
本記事は,4ヶ月の独学で試験に一発合格した当ブログの管理人の伊藤かずまが記載しています。
現在は,現役行政書士として法律に携わる仕事をしています。
参考:独学・働きながら・4ヶ月・一発(202点)で行政書士試験に合格した勉強法
参考:筆者を4ヶ月で合格に導いた超厳選の良書たち
読者さんへの前置き
※赤文字は,試験対策として絶対に知っておくべき単語・用語・概念・考え方,その他重要ポイントです
※太文字は,解説中で大切なポイントです
※本記事は,2020年4月1日施行の民法改正に対応しています
※本ブログでは,記事内容を要約したものを先に【結論】としてまとめ,その後【解説】で詳細に説明をしていますので,読者さまの用途に合わせて柔軟にご利用ください!!
結論:民法399条は債権の生存範囲を拡大している
債権は、金銭に見積もることができないものであっても、その目的とすることができる。
民法399条 【債権の目的】
本条文は,友人に相談話を聞いてもらうというような金銭に見積もることができない債権にも,その生存権を認めます。
これにより幅広い債権設定が可能となり,私的自治の原則・契約自由の原則を支える条文と言えます。
解説:『債権の目的』は債権の内容のこと
債権とは
債権とは,特定の人に特定の行為をさせる権利のことです。
物権が物を直接的排他的に支配できる権利であるのに対し,債権は人を支配できる権利であるのです。
※物権と債権の違いについては以下の記事で詳細に解説していますので,そちらで学習をしてみてください。
『債権の目的』=債権の内容
条文名に『債権の目的』とありますが,これは債権の“内容”を意味します。
債権は、金銭に見積もることができないものであっても、その目的とすることができる。
民法399条 【債権の目的】
つまり,債権が特定の人(=対象)に特定の行為(=内容)をさせる権利であることから...,
債権の目的=債権の内容=(債権が人にさせようとする)特定の行為
という関係というわけです。
日常用語での『目的』,たとえば「計画の『目的』」なんて日本語における『目的』は,計画が達成しようとする目標のことを指します。
たしかに,計画の中身・内容のことを『目的』とは,日常では言わないですね!
そのため『債権の目的』は,一種の法律用語といえます。
整理すると,『債権の目的』は,債権が履行されることで達成される目標ではなく,債権が(他人に)させようとしている特定の行為のことです。
金銭に見積もることができないものであってもOK
人に特定の行為をさせるのが債権ですが,その目的,すなわち内容は金額に見積もることができないものでも契約などで設定してOKというのが,この民法399条です。
金銭に見積もれない債権の目的ってどんなものがあるの?
たとえば,読者のみなさんも,ちょっと悩んでいたり落ち込んでいるときに,友人に話を聞いてもらったり相談に乗ってもらった経験があると思います。
このような友人・親友として話を聞いてもらう約束も一種の契約です。
すなわち,相談をお願いした側は,相手に対して話を聞いてもらうという行為をさせる債権を手に入れることになります。
この相談を聞いてもらう債権,裏返せば,相談に乗る側の,困っている友人・知人の話を聞いてチカラになろうという友情は,お金には変えられないと思います。
こんな金銭見積りは不可能なはずです。
民法399条はこのような金銭に見積もることができないものでも,債権の目的にすることを認めます。
これにより,金銭に見積もることができない債権でもその生存権が認められ,その成立できる範囲が大幅に広く確保されているのです。
債権の成立範囲が広く認められるこの条文は,私的自治の原則・契約自由の原則を支えているともいえるのです。
解説はここまでです。 読んで頂きありがとうございました!
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※前条の解説はこちらです。
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※次条の解説はこちらです。
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参考文献など
参考文献
この記事は以下の書籍を参考にして執筆しています。 より深く理解したい方は以下の基本書を利用して勉強してみてください。 必要な知識が体系的に整理されている良著なので,とてもオススメです。
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