第6章 期間の計算

【民法143条:カレンダーを民法界へ】暦による期間の計算を図で解説

2023年7月13日

伊藤かずま

【告知】夏コミC104出展します!

国際行政書士(第21190957号)
宅地建物取引士合格(未登録)
事務所HPはこちら

初学者&独学&4ヶ月&一発合格(202点)で行政書士試験に合格しました。
読者さまからのコメントにあった『本当の意味での初学者にとっての解説書』を完成させるべく,本サイトを運営中。

 

ウリム

期間を1年後って設定したとき,普通365日後ですよね?

もし,うるう年だったらどうなるの? 同じく365日後?それとも366日後?

366日後だとするなら,期間が1日延びてしまわない?

本記事は,民法143条の暦による期間の計算についてわかりやすく解説しています。

 

本記事を読むことで,以下を達成できるように執筆しています。

  • 暦による期間の計算をどのように行うのか知ることができる
  • 月の途中から期間計算が始まる場合の処理を理解できる

 

記事の信頼性

本記事は,4ヶ月の独学で試験に一発合格した当ブログの管理人の伊藤かずまが記載しています。
現在は,現役行政書士として法律に携わる仕事をしています。

参考:独学・働きながら・4ヶ月・一発(202点)で行政書士試験に合格した勉強法
参考:筆者を4ヶ月で合格に導いた超厳選の良書たち

 

読者さんへの前置き

赤文字は,試験対策として絶対に知っておくべき単語・用語・概念・考え方,その他重要ポイントです
太文字は,解説中で大切なポイントです
※本記事は,2020年4月1日施行の民法改正に対応しています

 

※本ブログでは,記事内容を要約したものを先に【結論】としてまとめ,その後【解説】で詳細に説明をしていますので,読者さまの用途に合わせて柔軟にご利用ください!!

結論:暦に従って計算するとは,カレンダーに従うということ

民法143条 【暦による期間の計算】

1 週、月又は年によって期間を定めたときは、その期間は、暦に従って計算する
2 週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する

期間の計算は,カレンダーに従うことを定めた条文です

条文中の『最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日』というのは,最後の週、月又は年における起算日と“同じ”日です。

応答する日
応答する日

そして,設定した期間は『応当する日の前日に満了する』ので,応当する日の前日が終了する瞬間に満了します。

満了日
満了日

 

月又は年を単位として期間を設定した場合,うるう年や2月が28日間しかない影響などで,応答する日が存在しないケースが発生する可能性があります。  この場合,最終の月の末日に期間満了となります。

期間最終の月の末日が満了日
期間最終の月の末日が満了日

 

解説:期間を月又は年で定めると,応答する日がないケースがある

民法143条1項:暦に従う,すなわちカレンダーに従うということ

条文中の『暦に従って計算する』というのは,カレンダーに従うと理解して頂ければOKです。

 

たとえば,期間を“ある月の1か月間”で定める場合…

1月の場合は,1月1日~31日の31日間ですし,

2月の場合は,2月1日~28日の28日間ですし,

4月の場合は,4月1日~30日の30日間となります。

 

また,期間を“1年間”で定めれば,通常年でしたら365日間,うるう年でしたら366日間となる,ということです。

 

民法143条2項本文:週,月又は年の途中から期間開始すると終わりはいつ?

民法143条2項 本文【暦による期間の計算】

2 週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する

『最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日』というのは,最後の週、月又は年における起算日と“同じ”日です。

つまり,水曜日が起算日の場合においての1週間後に応答する日は,翌週の“同じ”水曜日です。

応答する日
応答する日

そして,設定した期間は『応当する日の前日に満了する』ので,翌週の水曜日(=応当する日)の前日,すなわち翌週の火曜日が終了する瞬間に満了します。

満了日
満了日

 

また期間設定単位を年とした場合にも例を挙げておきます。

2023年10月22日が起算日の場合においての2年後に応答する日は,翌々年の“同じ” 10月22日である2025年10月22日です。

よって,期間満了するタイミングは2025年10月22日(=応答する日)の前日,すなわち2025年10月21日が終了する瞬間となります。

 

民法143条2項ただし書き:応答する日が無い場合

月又は年を単位として期間を設定した場合,うるう年や2月が28日間しかない影響で,応答する日が存在しないケースが発生する可能性があります。

たとえば,1月31日を起算日として1か月間の期間を設定した場合,応答する日は翌月の同じ日ですので2月31日となるはずです。

応答する日がないケースが存在する
応答する日がないケースが存在する
ウリム

あれ…? 2月はうるう年だったとしても29日までしかないから…応答する日が絶対に無いことになっちゃうぞ…?

 

このようなケースを調整するため,民法143条2項にはただし書きが用意されています。

民法143条2項ただし書き 【暦による期間の計算】

2 週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する

応答する日がないケースのときは,期間最終の月の末日が終了する瞬間に期間が満了することとなります。

つまり,先程の1月31日を起算日として1か月間の期間を設定した場合,期間最終の月は翌月の2月ですので,その2月の末日である28日(うるう年の場合は29日)が終了する瞬間で期間満了となります。

期間最終の月の末日が満了日
期間最終の月の末日が満了日

 

ちなみに,民法143条2項ただし書きが適用されるのは『月又は年によって期間を定めた場合』のみで,週で期間を定めた場合に適用される可能性はありません

なぜなら,1年間のどの日を起算日としても,その起算日から何週間後のどの週にも,日月火水木金土の7曜日は必ず存在するからです。

7曜日は必ず存在するので,応答する日も必ず存在する
7曜日は必ず存在するので,応答する日も必ず存在する

 

解説はここまでです。 読んで頂きありがとうございました!

ウリム

励みになりますので,もしこの記事がみなさまの学習に少しでも役に立ちましたら,一言でもよいので応援コメント頂けますと大変うれしいです!

 

※前条の解説はこちらです。

あわせて読みたい

※次条の解説はこちらです。

あわせて読みたい

※人気記事も是非あわせて読んで,勉強効率をUPしましょう!

人気記事
人気記事
人気記事
人気記事

 

 

参考文献など

参考文献

この記事は以下の書籍を参考にして執筆しています。 より深く理解したい方は以下の基本書を利用して勉強してみてください。 必要な知識が体系的に整理されている良著なので,とてもオススメです。

 

行政書士合格を目指す方必見!

筆者が,行政書士試験に,4ヶ月の独学で・仕事をしながら・202点で一発合格したノウハウや勉強法,使用テキストを無料公開しています。

特にノウハウ集は,有料note級の1万2000文字以上の情報量で大変好評なので,是非読んでみてください!

人気記事
人気記事

最後まで読んでくださり,ありがとうございました。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

伊藤かずま

【告知】夏コミC104出展します!

国際行政書士(第21190957号)
宅地建物取引士合格(未登録)
事務所HPはこちら

初学者&独学&4ヶ月&一発合格(202点)で行政書士試験に合格しました。
読者さまからのコメントにあった『本当の意味での初学者にとっての解説書』を完成させるべく,本サイトを運営中。

-第6章 期間の計算
-