第1節 債権の目的

【民法407条:準備してくれている人への配慮規定】選択権の行使をわかりやすく解説

2023年7月20日

伊藤かずま

国際行政書士(第21190957号)
宅地建物取引士合格(未登録)
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ウリム

選択権が債務者に最初帰属するのは民法406条で理解しました!

選択権はどのように行使するの?

電報でも打つの?

本記事は,民法407条の選択権の行使方法と,行使の撤回ができるタイミングについて,基礎からわかりやすく解説しています。

 

本記事を読むことで,以下を達成できるように執筆しています。

  • 選択権の行使方法を理解できる
  • 撤回をできる状況を知ることができる

 

記事の信頼性

本記事は,4ヶ月の独学で試験に一発合格した当ブログの管理人の伊藤かずまが記載しています。
現在は,現役行政書士として法律に携わる仕事をしています。

参考:独学・働きながら・4ヶ月・一発(202点)で行政書士試験に合格した勉強法
参考:筆者を4ヶ月で合格に導いた超厳選の良書たち

 

読者さんへの前置き

赤文字は,試験対策として絶対に知っておくべき単語・用語・概念・考え方,その他重要ポイントです
太文字は,解説中で大切なポイントです
※本記事は,2020年4月1日施行の民法改正に対応しています

 

※本ブログでは,記事内容を要約したものを先に【結論】としてまとめ,その後【解説】で詳細に説明をしていますので,読者さまの用途に合わせて柔軟にご利用ください!!

【結論】選択権の行使方法は意思表示!

民法407条 【選択権の行使】

1 前条の選択権は、相手方に対する意思表示によって行使する
2 前項の意思表示は、相手方の承諾を得なければ、撤回することができない

1項

前条406条の選択債権における選択権は,相手方への意思表示で行うことを規定しています。

つまり,選択権者が内心で「これにきーめた!」と決意するだけでは足りません。

また,民法は意思表示の効力発生は到達主義(民法97条)を採用してますので,「選択肢中のこれを給付するね」という意思表示が相手方に到達した瞬間に給付内容(債権の目的・民法399条)が確定することとなります。

 

2項

選択権を一度行使した場合,相手方の承諾がなければ撤回できません

選択されて確定された給付が行われることを期待した相手方の,この期待を保護する趣旨です。

 

【解説】一度選択したら原則撤回できないのは相手方の期待保護のため

相手方の期待の保護

本条文は非常にわかりやすい規定ですので,解説したいことのほとんどを【結論】フェーズで言及してしまっているので,【解説】フェーズでは,2項についてイラストで事例説明をします。

 

本条407条2項により,一度行使した選択権の内容を撤回するには,相手方の承諾,すなわち相手方のOKがなければいけません

民法407条 【選択権の行使】

2 前項の意思表示は、相手方の承諾を得なければ、撤回することができない

前条の解説でも用いた誕生日プレゼントの事例において,選択権は最初は彼氏側にあることを確認しましたね。

このとき,彼氏が選択権を一度行使してプレゼントを確定したのなら,彼女がOKしなければ撤回できないということです。

 

彼女の承諾(OK)がなければ撤回できないのは,2つの理由からです。

  • ①:相手方の期待を保護するため
  • ②:相手方が確定した給付を前提に準備や行動をする可能性があるので,相手方が不利益を被らないようにするため

 

①:相手方の期待を保護するため

ひとつめの理由は,相手方の期待を保護するためです。

選択権が行使され,給付されるものが確定されたとき,相手方はその確定した給付がされるものと期待します。

選択権の行使をすると?
選択権の行使をすると?
債権の目的が確定!
債権の目的が確定!
相手方の期待が発生!
相手方の期待が発生!

この期待を保護するため,一度確定した選択が後からコロコロ変わらないようにするのです。

 

②:相手方が確定した給付を前提に準備や行動をする可能性があるので,相手方が不利益を被らないようにするため

ふたつめの理由として,相手方が確定した給付を前提に準備や行動をする可能性があるため,相手方が不利益を被らないように…という配慮のためです。

たとえば,一度ハンドバッグをプレゼント旨の意思表示がされたとき,彼女さんとしては今後のデートの際に,ハンドバッグに合う洋服を買う可能性があります。

債権の目的が確定!
債権の目的が確定!
確定した債権の目的を前提に相手方が準備したり...
確定した債権の目的を前提に相手方が準備したり...
行動したりする可能性があります
行動したりする可能性があります

せっかくハンドバッグのために,時間をかけて服を選び,お金をかけて服を購入したのに…

一度確定した選択をひっくり返されると...
一度確定した選択をひっくり返されると...
相手方が不利益を被ってしまうかもしれない
相手方が不利益を被ってしまうかもしれない

こうなってしまうと,相手方(彼女さん)にとっても酷ですので,民法は一度行使した選択権は相手方の承諾がなければ撤回できないルールを設けたのです。

 

解説はここまでです。 読んで頂きありがとうございました!

ウリム

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※前条の解説はこちらです。

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※次条の解説はこちらです。

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参考文献など

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