“反射的利益”って何?
本記事は,“反射的利益”をわかりやすく解説しています。
記事の信頼性
本記事は,4ヶ月の独学で行政書士に,2週間の独学で宅建に一発合格した当ブログ管理人の伊藤かずまが記載しています。
現在は,現役行政書士として法律に携わる仕事をしています。
参考:独学・働きながら・4ヶ月・一発(202点)で行政書士試験に合格した勉強法
参考:筆者を4ヶ月で合格に導いた超厳選の良書たち
読者さんへの前置き
※赤文字は,行政書士・宅建・公務員試験対策として絶対に知っておくべき単語・用語・概念・考え方です
※太文字は,解説中で大切なポイントです
※本記事は,2020年4月1日施行の民法改正に対応しています
【結論】反射的利益とは,法的に保障はされない利益
反射的利益とは,法によって保護される権利によって,間接的に得る利益です。
解説:最近人気の“可愛い制服”でイメージして理解しておきましょう
最近,中学や高校で,おしゃれな制服が増えていることはご存知でしょうか?
私も,お客様のお子様が「制服が可愛いから〇〇高校を志望している」ということを耳にして,そのような理由で進学先を選択される方がいることを知りました。
例えば,愛知県の名古屋経済大学市邨中学校・高等学校では,AKB48グループの衣装デザインを手掛けた会社が製作した制服を採用しています。
非常に可愛いと評判のようです。(たしかにおしゃれで可愛い...)
本記事の“反射的利益”ですが,この可愛い制服を事例に用いて解説します。
とあるところに,この可愛い制服を着るために,一生懸命に勉強をして,X高校の合格を勝ち取ったAさんがいました。
憧れの可愛い制服を着て過ごす学生生活に,想いを馳せていたAさんですが,悲報が届きます。
なんと,可愛い制服のデザインが変更され,可愛くない制服に変更されることが決まってしまったのです。
これに納得いかないAさんは,合格者であることを理由に,“可愛い制服を着る権利”の保護を求めてX高校を訴えることにしました…。
さて,Aさんの“可愛い制服を着る権利”は,法的に保護されるのでしょうか?
結論から言うと,“可愛い制服を着る権利”は,反射的利益であるため,法的に保護されません。
反射的利益とは,法的に保護された権利から派生する,間接的な利益のことです。
前述のAさんが持っている法的に保護される権利は,試験合格による“X高校に通学する権利”です。
“X高校に通学する権利”は,一般的には,在学学校法人(X高校)と,学生(Aさん)との間の在学契約という契約に基づくものと理解されているため,法的に保護される権利です。
一方で,“X高校の可愛い制服を着る権利”は,“X高校に通学する権利”から派生する,反射的利益です。
したがって,“X高校の可愛い制服を着る権利”は,何かの契約などで約束されているものではないため,法的な保護はないのです。
たしかに,X高校の可愛い制服を着るためには,X高校に入学・在学するしか方法がないため,X高校に入学したら,X高校の可愛い制服を着る権利が事実上は存在します。
しかし,この“X高校の可愛い制服を着る権利”は,あくまでも,“X高校に通学する権利”という法的権利から発生した”おこぼれ的権利”なのです。
このように,法的な権利(X高校に通学する権利)を手に入れたことによって,その権利からおこぼれ的・派生的に発生した権利(X高校の制服を着る権利)のことを反射的利益といいます。
反射的利益は,憲法・民法・行政法と,法学の学習の中でも幅広い範囲で顔をのぞかせる概念です。
しかし,試験対策という観点からは,細かい理解は必要ないので,本記事の可愛い制服事例のような具体例で,イメージだけ掴んでおけばOKです。
※反射的利益の概念に触れている判例については,以下の記事を参考にしてください
※当ブログの超人気記事たちも是非あわせて読んでみてください!
参考文献など
参考文献
この記事は以下の書籍を参考にして執筆しています。 より深く理解したい方は以下の基本書を利用して勉強してみてください。 必要な知識が体系的に整理されている良著なので,とてもオススメです。
行政書士合格を目指す方必見!
筆者が,行政書士試験に,4ヶ月の独学で・仕事をしながら・202点で一発合格したノウハウや勉強法,使用書籍を無料公開しています。
特にノウハウ集は,有料note級の1万2000文字以上の情報量で大変好評なので,是非読んでみてください!
最後まで読んでくださりありがとうございました!