第6章 期間の計算

【民法139条:期間の起算】秒・分・時の期間開始は即時スタート!

2023年7月2日

伊藤かずま

国際行政書士(第21190957号)
宅地建物取引士合格(未登録)
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ウリム

期間というのは,ある時からある時までを指定するものですよね?

時を区切ろうと思うと,10分間とか,1時間とか,3日間とか,いろんな時間単位での区切り方が想定されますが…,どこから10分間なの?

本記事では,期間の起算点についてのルールについて,詳しく解説しています。

 

本記事を読むことで,以下を達成できるように執筆しています。

  • 秒・分・時で期間を設定した場合の起算点ルールがわかる
  • 日・週・月・年で期間を設定した場合が民法139条でなく140条で規定されている理由がわかる

 

記事の信頼性

本記事は,4ヶ月の独学で試験に一発合格した当ブログの管理人の伊藤かずまが記載しています。
現在は,現役行政書士として法律に携わる仕事をしています。

参考:独学・働きながら・4ヶ月・一発(202点)で行政書士試験に合格した勉強法
参考:筆者を4ヶ月で合格に導いた超厳選の良書たち

 

読者さんへの前置き

赤文字は,試験対策として絶対に知っておくべき単語・用語・概念・考え方,その他重要ポイントです
太文字は,解説中で大切なポイントです
※本記事は,2020年4月1日施行の民法改正に対応しています

 

※本ブログでは,記事内容を要約したものを先に【結論】としてまとめ,その後【解説】で詳細に説明をしていますので,読者さまの用途に合わせて柔軟にご利用ください!!

結論:秒・分・時の場合,始期はその瞬間からスタート

時間によって期間を定めたときは、その期間は、即時から起算する。

民法139条 【期間の起算】

秒・分・時といった比較的小さめの時間単位で期間を設定した場合,始期はその瞬間から起算されます。

日・週・月・年のような比較的大きめの時間単位で期間を設定した場合,その起算点の認識や候補が人によってブレが出やすくなるため,民法140条にて初日不算入の原則を採用しつつ,別途ルールが規定されています。

 

解説:日・週・月・年の場合,始期の認識にブレが出始める!

・期間の設定単位

期間とは,法律行為始期と終期を附することであり,時間的幅(〇分間など)を持ったものです。

 

始期と終期の時間的幅としての,時間の単位としては,主に以下のものが考えられます。

  • 秒 (民法139条が担当)
  • 分 (民法139条が担当)
  • 時 (民法139条が担当)
  • 日 (民法140条が担当)
  • 週 (民法140条が担当)
  • 月 (民法140条が担当)
  • 年 (民法140条が担当)

 

ウリム

世紀は?

たしかに世紀も考えられますが,期間は法律行為に附することを予定しており,始期と終期との間が1世紀(=100年)もある契約などを締結する機会はほぼないため,民法には規定されていません。(1世紀単位で法律行為をするならば,100年で期間設定する…などの対応が考えられます。)

民法では,”秒”を最小,”年”を最大とする単位を認めており,秒・分・時で期間設定した場合を民法139条で,日・週・月・年で期間設定した場合を民法140条で規定しています。

 

秒・分・時で期間を定めた場合は瞬間から瞬間まで

秒・分・時で期間を設定した場合,その始期は,その瞬間から起算します

これらはみなさんの何気ない日常会話でも比較的暗黙の了解として受け入れられています。

 

たとえば飲食店で

「ご用意まで20分ほど頂きますがよろしいですか?」

「いいですよ」

というやり取りがあったとき,多くの人が“今から”20分くらいかな!と考えると思います。

 

ズバリその通りで,秒・分・時のような比較的小さい時間単位で期間を設定されたとき,「今から〇〇秒(・〇〇分・〇〇時)」のように考えるのが自然と言えます。

ウリム

まさか明日の同じ時間から20分後…なんて言ってるわけないもんね。

もし本当にそうなら「24時間と20分くらいかかります」って言いますよね!

 

日・週・月・年など大き目の時間単位の場合は,民法140条が担当

日・週・月・年の場合,これらの中の最小単位である“日”でも,1日=24時間の大きめの幅があることから,別の条文である民法140条が個別に規定しています。

 

ウリム

“日”くらいの単位なら,民法139条と一緒じゃいけないの?

もし,今が2023年7月1日13時として,みなさんが,仕事などで取引先や知人から「明日(1日間)までにお返事します」と言われたとき,いつまでに返事が来るものだろうと思いますか?

  • 候補A:2023年7月1日23時59分満了(明日が来る瞬間まで)説
  • 候補B:2023年7月2日13時になるまで(翌日の同じ時間まで)説
  • 候補C:2023年7月2日23時59分満了(初日不算入で翌日丸一日)説

どの候補も日常生活上,決して間違いではありません。(特に時と場合によっては候補Aと考えるシチュエーションも十分にあり得ます)

このように,“日”を単位とすると,人によって起算点の考え方にバラつきが出るため,民法140条にて初日不算入の原則を採用しつつ,法律上の一定のルールを定めています。

 

解説はここまでです。 読んで頂きありがとうございました!

 

※前条の解説はこちらです。

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参考文献など

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この記事は以下の書籍を参考にして執筆しています。 より深く理解したい方は以下の基本書を利用して勉強してみてください。 必要な知識が体系的に整理されている良著なので,とてもオススメです。

 

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最後まで読んでくださり,ありがとうございました。

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