法律行為には条件だけでなく“期限”ってのやつも付けられるらしいね?
期限って何?
本記事では,民法135条に定められている“期限”の概念と,“条件”との横断理解を解説しています。
本記事を読むことで,以下を達成できるように執筆しています。
- 民法の“期限”がどのようなものかわかる
- “期限”と“条件”の違いがわかる
記事の信頼性
本記事は,4ヶ月の独学で試験に一発合格した当ブログの管理人の伊藤かずまが記載しています。
現在は,現役行政書士として法律に携わる仕事をしています。
参考:独学・働きながら・4ヶ月・一発(202点)で行政書士試験に合格した勉強法
参考:筆者を4ヶ月で合格に導いた超厳選の良書たち
読者さんへの前置き
※赤文字は,試験対策として絶対に知っておくべき単語・用語・概念・考え方,その他重要ポイントです
※太文字は,解説中で大切なポイントです
※本記事は,2020年4月1日施行の民法改正に対応しています
結論:将来,確実に到来する事実に法律効果の発動・消滅をかからせる
1 法律行為に始期を付したときは、その法律行為の履行は、期限が到来するまで、これを請求することができない。
2 法律行為に終期を付したときは、その法律行為の効力は、期限が到来した時に消滅する。
民法135条 【期限の到来の効果】
期限とは,法律行為の効果の発動や消滅などを,将来,確実に到来する事実が発生するまで留保する期間のことです。
期限には始期・終期の2つが存在します。
始期の期限を設定した場合,法律行為の効果は始期の期限が到来した時から発動します。
逆に,終期の期限を設定した場合,法律行為の効果は,終期の期限が到来した瞬間に消滅することになります。
具体例としては,「令和4年1月1日から令和4年11月13日まで,伊藤かずまが行政書士試験対策の家庭教師をする」というような,伊藤かずま対受講生との間での契約が期限付き契約です。
(※補足:令和4年の行政書士試験日が11月13日でした)
『令和4年1月1日』が始期で,『令和4年11月13日』が終期となります。
期限には,到来時期を客観的に判断できる確定期限と,到来時期がいつかわからない不確定期限の2種類が存在します。
停止条件・解除条件・始期・終期・確定期限・不確定期限の横断理解は以下の図のとおりです。
解説:条件との違いをキチンと押さえよう
“期限”の定義(“条件”との違い)
期限とは,法律行為の効果の発動や消滅などを,将来,確実に到来する事実が発生するまで留保する期間のことです。
すぐその場で法律効果が発動したり,その場で双方の債務が履行される場合は期限が無い法律行為となります。
たとえば,コンビニでの買い物です。
コンビニでの売買契約は,売主の引渡し債務と,買主の支払い債務がすぐその場で同時に履行されるため,将来確実に到来する事実に契約効果をかからせていません。
逆に,期限が設けられている法律行為の例としては,雇用期間の有る契約社員の場合の雇用契約などです。
雇用し始めた日が始期であり,雇用契約が切れる最終日が終期となります。
“期限”に似て非なるものに,“条件”があります。
“条件”とは,将来発生するかどうかが不確実な事実に,法律効果の発生又は消滅をかからせることを言います。
“期限”が,法律効果の発生等を将来確実に発生する事実にかからせていたことと対比して,キチンと概念を押さえておきましょう。
確実に到来する前提があるので,“条件”に比べて規定条文が少ない
憶えることは,条件の方が圧倒的に多いです。
なぜなら,期限は,将来確実に到来するという前提のもとで設けられるものだからです。
条件のときのように,停止条件・解除条件とか,条件が達成不能だったとか,条件が不法だったとか,そういったトラブルが無いからです。
確実に将来到来するのだから,「この日(始期)から法律効果発動!」「この日(終期)に法律効果消滅!」しかないのです。
現に,期限がどのようなものかを規定している民法135条も,1項・2項ともに始期と終期について言及しているのみであり,非常に分かりやすいものです。
1 法律行為に始期を付したときは、その法律行為の履行は、期限が到来するまで、これを請求することができない。
2 法律行為に終期を付したときは、その法律行為の効力は、期限が到来した時に消滅する。
民法135条 【期限の到来の効果】
期限には確定期限,不確定期限が存在する
将来確実に到来する期限ですが,実は期限には確定期限・不確定期限の2種類存在します。
- 確定期限 :いつ到来するのかが,客観的に判断可能な期限
- 不確定期限:いつかは到来するが,それがいつなのかは誰にもわからない期限
確定期限
確定期限は,『令和4年11月13日』のように,日時で期限を定めたような場合が該当します。
不確定期限
不確定期限は,『私が死んだとき』のような,いつかは必ず発生するけども,それがいつなのかは分からない事実を期限にした場合が該当します。
『私が死んだとき』って条件じゃないの?
間違えやすいですが,『私が死んだとき』は期限です。
なぜなら,条件は“将来発生するかどうかが不確実なこと”に,法律効果の発生等をかからせることを指します。
私たち人間は,いつかは必ず死を迎えます。
よって,“私が死ぬ”という事実は,将来発生するかどうかが不確実な事実ではなく,将来確実に到来する事実です。
したがって,『私が死ぬとき』というものは,期限に分類されます。
停止条件&解除条件 vs 確定期限&不確定期限
条件には,大きな重要概念として,停止条件と解除条件が存在します。
対して,この記事で見てきたように,期限にも大きな重要概念として,確定期限と不確定期限が存在します。
ごくたまになんですが,以下の様に,停止条件・解除条件と,確定期限・不確定期限を,条件及び期限の対立概念の様に“横並びで”対比している基本書やテキストを見かけることがあります。
しかし,これは正確ではありません。
停止条件が,法律効果が発動する転換点であることに着目すると,停止条件に対応する概念は期限の“始期”です。
同様に,解除条件が,法律効果が消滅する転換点であることから,解除条件に対応する概念は期限の“終期”ということになります。
そして,停止条件・解除条件と横並びである始期・終期に対して,それぞれ確定期限又は不確定期限のいずれかで定められるわけです。
よって,停止条件・解除条件の概念に対して,確定期限・不確定期限は1段下の概念であり,横並びにするのは正確ではありません。
解説はここまでです。 読んで頂きありがとうございました!
※前条の解説はこちらです。
※次条の解説はこちらです。
参考文献など
参考文献
この記事は以下の書籍を参考にして執筆しています。 より深く理解したい方は以下の基本書を利用して勉強してみてください。 必要な知識が体系的に整理されている良著なので,とてもオススメです。
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最後まで読んでくださり,ありがとうございました。