第3節 行為能力

制限行為能力者とは? 民法が授ける3つの能力からわかりやすく解説

2022年3月28日

伊藤かずま

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国際行政書士(第21190957号)
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本記事は,制限行為能力者とは何なのか?について3つの能力と,それに基づく4分類について解説しています。

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※本記事は2020年4月1日施行の民法改正に対応しています

結論:制限行為能力者とは,年齢又は審判によって行為能力を失っている者

制限行為能力者とは,18歳未満の者や,家庭裁判の審判によって行為能力を失ったことで,一人で有効に法律行為をすることが出来ない者のことです。

民法は,私たち自然人に①権利能力・②意思能力・③行為能力の3つの能力を認めている。

これらの3能力の保持状態は以下の4パターンが存在し,制限行為能力者は,以下の表のパターンCとDです。

解説:民法の3能力を理解し,取りうる4パターンを抑えること

民法は以下の3つの能力を自然人に授けています。

  1. 権利能力
  2. 意思能力
  3. 行為能力

権利能力

まず,権利能力は,権利義務の主体になれる能力のことです。

つまり,所有権を得て物を所有したり,契約の主体になったりできる能力のことです。 そして,この権利能力は,生きている自然人が,例外なく全員が必ず持っている能力です。

我々の生きる現代は,私たちは法の下に平等であるため,皆平等に権利能力が認められているのです。

しかし,常に権利能力が認められるのは,場合によっては当人にとって不利益が発生する場合があります

誰でも権利能力がある以上,経済的判断能力が高くない人(子どもなど)でも,巨額の借金を負う契約が出来てしまうため,当人にとって酷な負担を課してしまう可能性があるのです。

意思能力

次に,意思能力とは,自分の法律行為を弁識する能力のことです。 これは,一般的な日本語でいうところの「判断能力」です。

つまり,自分がする契約(法律行為)が,いったい自分にどんな利益・不利益をもたらすのか判断する能力のことです。

この意思能力は,人によっては失ってしまうことがあります。

一時的な場合ですと,泥酔状態にある者です。 恒常的な場合は,アルツハイマー・認知症に罹患している者です。

また,恒常的ではあるが,時間の経過で解消するものとして,年少者などです。

一応,この意思能力(判断能力)が無い者が法律行為(契約)をした場合は,民法3条の2によって,無効となります。

法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときは、その法律行為は、無効とする

民法3条の2

しかし,目の前の人に意思能力が有るのか無いのか,常に判断することは難しいです。

認知症を患う人でも,日によって調子が良かったり,年少者でも成熟している人もいます。

外界から見えない意思能力に対して,法律行為の有効・無効を任せることは危険と言えます。

そこで,3番目の行為能力の出番です。

行為能力

行為能力は,自分一人で有効に法律行為をすることができる能力のことです。

つまり,行為能力を持っている人だけが,自分一人で法律行為をすることができるよ!というわけです。

逆に行為能力を失っていれば,有効に一人で法律行為をすることができないようになります。

行為能力は,常に誰でも権利能力によって権利義務の主体になれてしまう,という権利能力の不器用なところを補っていると言えます。

また,行為能力は,外界から意思能力の有無を判断できないという性質を補う役割を担います

したがって,外界から判断できる,年齢や家庭裁判所の審判によって,行為能力の有無が決まるようになっています。

行為能力者と制限行為能力者の4パターン

ここまで,3つの能力についてみてきました。

権利能力は,常に誰でも持っています。

一方で,意思能力と行為能力は,それぞれ持っている人と持っていない人がいますので,これを整理して一覧にすると,以下の表の通りになります。

間違えやすいのは,パターンDです。

精神上の障害によって,事理弁識能力が減衰していたために,家庭裁判所の審判が行われて制限行為能力者となっていた者が回復しても,改めて家庭裁判所が開始の審判を取り消さない限り,当該制限行為能力者は,制限行為能力者です。(表のパターンD)

参考文献

この記事は以下の書籍を参考にして執筆しています。 より深く理解したい方は以下の基本書を利用して勉強してみてください。 必要な知識が体系的に整理されている良著なので,とてもオススメです。

 

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最後まで読んでくださりありがとうございました!

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