第3節 行為能力

民法8条:成年被後見人及び成年後見人とは?【必ずペアでワンセット】

2021年3月2日

伊藤かずま

国際行政書士(第21190957号)
宅地建物取引士合格(未登録)
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成年被後見人は,制限行為能力者として保護される人ですよね?

成年後見人は,どんな人で何をする人なんですか?

本記事では,民法8条の,成年被後見人と成年後見人の役割について,3分でわかりやすく解説しています。

 

本記事を読むことで,以下を達成できるように執筆しています。

  • 成年被後見人・成年後見人の役割を知ることが出来る
  • 成年後見人を置く理由がわかる

 

記事の信頼性

本記事は,4ヶ月の独学で試験に一発合格した当ブログの管理人の伊藤かずまが記載しています。
現在は,現役行政書士として法律に携わる仕事をしています。

参考:独学・働きながら・4ヶ月・一発(202点)で行政書士試験に合格した勉強法
参考:筆者を4ヶ月で合格に導いた超厳選の良書たち

 

読者さんへの前置き

赤文字は,試験対策として絶対に知っておくべき単語・用語・概念・考え方,その他重要ポイントです
太文字は,解説中で大切なポイントです
※本記事は,2020年4月1日施行の民法改正に対応しています
※当シリーズは条文が持つ効力を個性として捉えた表現で解説しています

 

条文の性格:成年被後見人と成年後見人は必ずペアで行動する

後見開始の審判を受けた者は、成年被後見人とし、これに成年後見人を付する

民法 第8条【成年被後見人及び成年後見人】

後見開始の審判とは、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者を、制限行為能力者として認めるという、家庭裁判所の判断のことです。

「制限行為能力者ってなんだったっけ?」という方は、民法7条の解説をご確認ください。

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今回解説する民法8条は、家庭裁判所から、成年被後見人として認められた人には、成年後見人というサポート役を必ずつけますよ、ということを定めている条文です。

学校での「はーい、2人組組んでー」ってやつを思い出しますね。

 

条文の能力:

成年被後見人と成年後見人

まず、用語の説明です。

成年後見人が、制限行為能力者であり保護される側です。

それに対して、成年後見人が、成年被後見人をサポートするです。

 

成年後見人は何ができるのか

(民法9条ただし書きの場合を除いて)成年被後見人がした法律行為は、後から取り消すことができるという大原則をまずはしっかり理解しておきましょう。

後見制度の全ての理解は、この大原則から始まります。

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では、後から法律行為(契約など)を取り消すことができるのは誰でしょうか?

まず、制限行為能力者である成年被後見人本人は、法律行為を後から取り消すことができます

しかし,成年被後見人は,事理弁識能力を”欠く”者であるため、法律行為後に、自身が行った法律行為を取り消した方がよいのか,取り消さない方がよいのかを判断することは基本的に困難です。

 

そうすると,せっかく与えたチート級権利である取消権も、上手に使ってもらうことが出来ず,宝の持ち腐れになってしまいます。

 

そこで登場するのが、成年被後見人をサポートする成年後見人です。

 

民法は、成年被後見人がした法律行為を後から取り消すことができる取消権を、サポート役の成年後見人にも認めることとしました。

成年被後見人がやってしまった法律行為を、取り消して無効とするか・取り消さずに有効とするのか、どちらが成年被後見人にとって利益となるかを,事理弁識能力を有する成年後見人の判断に任せよう、という趣旨です。

 

取引の相手方からは取り消すことができない

勘違いしやすいのですが、制限行為能力者がした法律行為(契約など)の相手方は、取り消すことができませんので、間違えないようにしましょう。

相手方は、成年被後見人と行った法律行為が正常に成立し、有効となることを望んで契約をしたはずです。

したがって、相手方に契約の取消権を認める理由がありません。

 

以上をまとめると、以下の通りです。

  • 成年被後見人&成年後見人:取消権有り
  • 法律行為の相手方    :取消権無し

 

制限行為能力者制度はラベリング

ちなみにですが、成年被後見人・被保佐人・被補助人はラベリングであると憶えておきましょう

つまり、「この人は制限行為能力者です!」という家庭裁判所の審判がなされることで、その人は制限行為能力者として認められ、取消権を手に入れるということです。

したがって、深刻な精神上の障害を抱えており,たとえ事実上は、事理を弁識する能力を欠く常況にある者であっても、制限行為能力者と認定する家庭裁判所の審判が出るまでは、行為能力者として扱われることになります。

 

 

解説はここまでです。 読んで頂きありがとうございました!

 

※前条の解説はこちらです。

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※次条の解説はこちらです。

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参考文献など

参考文献

この記事は以下の書籍を参考にして執筆しています。 より深く理解したい方は以下の基本書を利用して勉強してみてください。 必要な知識が体系的に整理されている良著なので,とてもオススメです。

 

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