第3節 行為能力

民法19条 -後見・保佐・補助制度が喧嘩しないようにする条文-

2022年1月5日

伊藤かずま

国際行政書士(第21190957号)
宅地建物取引士合格(未登録)
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今回は民法19条を3分でわかりやすく解説します。

※当シリーズは条文が持つ効力を個性として捉えた表現で解説しています
赤文字は,試験対策として絶対に知っておくべき単語・用語です
太文字は,解説中で大切なポイントです
※本記事は2020年4月1日施行の民法改正に対応しています

1 後見開始の審判をする場合において、本人が被保佐人又は被補助人であるときは、家庭裁判所は、その本人に係る保佐開始又は補助開始の審判を取り消さなければならない

2 前項の規定は、保佐開始の審判をする場合において本人が成年被後見人若しくは被補助人であるとき、又は補助開始の審判をする場合において本人が成年被後見人若しくは被保佐人であるときについて準用する。

民法 第19条【審判相互の関係】

 

条文の性格

後見・保佐・補助の各制度が喧嘩しないようにする条文です。

民法は,判断能力の欠如の多寡(多←後見>保佐>補助→少)に応じて,保護すべき人を分類し,各分類に応じて出来ることや出来ないことを定めています。

上記の,民法が用意した制度を,制限行為能力者制度と言いました。

後見の場合にはこう,補助の場合にはこう,と保護される者が各分類のどこに分類されるかで細かく個別にルールを定めているがゆえに,もし被後見人でもあるし,被保佐人でもある人がいたら,後見と保佐のどっちのルールに従うの?という問題があります。

この問題に答えるのが民法19条で,「後見・保佐・補助の2つ以上に属することはないようにするから大丈夫だよ!」という解決を与えています。

条文の能力

成年被後見人・被保佐人・被補助人の2つ以上に属することはない

民法19条1項は,既に被保佐人又は被補助人である人を成年被後見人とする場合には,その人の保佐又は補助を取消さないといけないと規定しています。

すなわち,既に(未成年者を除く)制限行為能力者である場合は,変更前の分類を取消した上で,変更後の新しい制限行為能力者として登録を行う,ということです。

必ず,変更前の分類を取消すというステップが入るため,各後見・保佐・補助たちが重ね掛けされることは絶対にありません。

制限行為能力の開始や取消しをするのは家庭裁判所

ちなみに,未成年者を除く制限行為能力者たちは,私たち個人が勝手に始めたり,認定したりすることはできず,家庭裁判所しかできません

地方裁判所でも,簡易裁判所でもないので憶えておきましょう。

コメント

体感ですが,本条文は行政書士試験では条文知識として,条文そのままの知識をよく問われた記憶があります。

そんなに難しくないので,制限行為能力者の分類の2つ以上に属することは絶対に無いと記憶に刻み付けておきましょう。

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。

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