本記事は,なぜ原則として,中間省略登記ができないのかについて解説しています。
- ※赤文字は,行政書士・宅建・公務員試験対策として絶対に知っておくべき単語・用語・概念・考え方です
- ※太文字は,解説中で大切なポイントです
- ※本記事は2020年4月1日施行の民法改正に対応しています
結論:原則として,中間省略登記はできない
中間者の同時履行の抗弁権は保護すべきであるため,原則として,中間省略登記はすることができません。
逆に言えば,中間者の同時履行の抗弁権を侵害する心配のない,三者間での合意が有る場合は,中間省略登記はOK。
解説:中間者の同時履行の抗弁権の保護概念をおさえよう
中間省略登記とは,不動産所有権がA→B→Cと順に移転してした場合に,中間者であるBを省略して,AからCに所有権移転登記を直接行うことです。
そもそも,中間省略登記はできるのでしょうか?
結論から言うと,原則として出来ません。 なぜなら,中間省略登記はBの権利(同時履行の抗弁権)を侵害する可能性があるからです。
A→B→Cの不動産所有権移転が,AB間及びBC間の売買において発生し,CがBに対して購入代金をまだ支払っていないとします。
この場合,何も特約がなければ,BのC対しての不動産所有権登記の移転債務と,CのBに対しての不動産購入代金支払債務は,同時履行の関係に立ちます。
もしもここで,A→Cの中間省略登記が可能であるとすると,Bをすっ飛ばして,Cが不動産所有権登記を手に入ることができます。
これにより,BはCとの関係における同時履行の抗弁権を喪失することになり,Bの権利が害されることになります。
したがって,このBの同時履行の抗弁権を保護するために,原則として中間省略登記はできません。
ただし,逆に言えば,Bの同時履行の抗弁権を侵害する危険がない状況,たとえば,Bも含めた三者間での合意が有る場合は,中間省略登記はできることになります。(最判昭40.9.21)
参考文献
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