ご挨拶
いつも条文の個性をご拝読頂き,本当にありがとうございます。
筆者は,ロゴデザイナーと平行して,個別指導で行政書士試験の講師業を行っている行政書士です。
勉強会を行う中で感じた,受験生が疑問に思うことや,自身が4ヶ月の独学で合格した際に役に立った知識などを,これから行政書士試験や宅建試験に挑む受験生の皆さまに,授業ではなく“文字”として残すことが出来たらいいな,という思いでスタートしました。
気が付けば毎日のように条文の個性に多くの方が来て下さるようになり,「皆さまの合格に少しでも資するには,どのような方針で情報を発信すればよいか?」と,改めて考え,一定の方向性を持って執筆することとしました。
そこで,この場を借りて,“条文の個性”の目的と指針を,明確に示しておこうと思います。
”条文の個性”の目的
条文の個性は,以下を最大の目的として,執筆しています。
“行政書士試験等の法律系資格受験生に対して,有意義な情報・知識を発信する”
この目的にそぐわない記事は執筆しません。
目的達成のための4つの指針
また,上記の目的を達成するために,以下の4個の指針を基に発信をしています。
- 逐条型をベースとする解説
- 結論にすぐ辿り着ける記事構成
- 学術的正確性を大きく損なわない程度に分かりやすさを優先した説明
- 法律条文が持つ趣旨・背景・目的を重視した解説
逐条型をベースとする解説
“条文の個性”では,条文を起点とする逐条型の解説を基本とします。
法律系資格試験のほぼ全てが,法律の知識を問うわけですが,法律は条文たちが集合することで構成されています。
したがって,法律を学ぶとは,各構成要素である条文を学ぶことであると,筆者は考えています。(また,それが正しいとも考えています。)
条文を離れて法律の知識を学習する,すなわちテキストに書いてある法概念を,テキストに書かれている通りに,“なんかよくわからないけどそうなんだ”と暗記することは,正しい学習ではないと感じています。
そのため,法概念や条文が適用された結果の記載は,市販基本書や予備校のテキストに任せ,条文の個性では,条文を起点として,なぜ市販基本書などに書かれている結論に至るのか,の説明に比重を置いて執筆していきます。
また,条文と条文のはざまから生まれる概念もあるため,必ずしもすべての記事が逐条型の解説記事ではありませんのでご了承ください。
結論にすぐ辿り着ける記事構成
受験生の皆さんの貴重な時間を無駄にしないため,記事構成を『結論→解説』の順にします。
結論フェーズを読んで,忘れかけた知識が補強できたのであれば,解説を読む必要はないと思います。
ただ,解説フェーズでは,結論に至る理論・背景・考え方などを詳細に解説しておりますので,可能でしたら是非最後まで目を通して頂けますと嬉しいです。
※2022年3月頃から採用した構成であるため,民法総則など一部の記事はこの構成で書かれていません。(時を見てリライト致します)
学術的正確性を大きく損なわない程度に分かりやすさを優先した説明
法律系資格試験で必要な学習は,法学の学術的研究の学習とは違います。
したがって,「あくまでも試験対策として必要な深度までの知識」を担保できる説明を行います。
これは,以下の2つ手段に現れます。
- 間違いでは無いが,厳密には正確ではない表現の使用
- イメージし易さを優先した,突拍子もないユニークな事例の使用
条文の趣旨・背景・目的を重視した解説
「なぜ,そうなるのか?」という疑問を解消しなければ,勉強では無いと考えています。
よって,結論を書き記すのみでは,ただの結論の丸暗記になってしまいます。
そのため,条文の個性では,条文の趣旨・背景・目的について,可能な限り言及し,皆さんの疑問を解消できるよう努めます。
以上は,今後皆さまからのご意見などを取り入れて,適宜アップデートしていく予定です。
最後に
法律には数多くの条文が存在します。
行政書士試験の範囲に限ってもその数は2000個近くにのぼります。
その数多くの条文のひとつひとつに,私たち人間と同じく個性があります。
たとえば…
民法177条のように,不動産売買において多大な影響を及ぼして経済活動を安全なものにするべく活躍しているもの。
数多の法律たちが悪さをしないように,私たちの権利を護ってくれている憲法の条文たち。
あまりに抽象的に書かれすぎているので,その存在意義について論争が勃発している条文。
このような条文たちの個性豊かな性格や能力を勉強することが,行政書士試験はじめ法律系試験の合格の近道です。
もし読者のあなたに,仲良くなりたい,彼氏・彼女にしたい,と想う相手がいたならば,きっとその人の生い立ち・考え方・人となりに対して,目や耳を傾けるはずです。
その人について,その人を直接見もせずに,他人がまとめたトリセツ(基本書や予備校テキスト)を読むだけで知ろうとは決してしないはずです。
しかしながら,なぜか行政書士や宅建試験になると,法すなわち条文について問われる試験なのに,条文本人ではなくテキストとだけ睨めっこしてしまう人が多く存在します。
法律系資格試験は,基本的には「この場面で活躍する条文と,その法律効果は何?」ということ,すなわち,条文の"人となり"を質問してきます。
それならば,その場面で活躍できる条文はどれだったか,そしてその条文はどんな能力を有していたか...。
これを知り,理解するには,条文に向き合うことが最も大切なことのはずです。
きっと,勉強中につまずいた「なんで?」の答えが,条文が持つ個性の中に見つかるはずです。
出来る限り,堅苦しくない表現で,かみくだいて解説を心がけていますので,肩の力を抜いて,移動やスキマ時間などにリラックスしながら条文の個性で学習して頂けると嬉しく思います。
発信した知識が,皆さまの試験日において,1点でもプラスになれればこの上なく幸せに思います。
「これを解説してくれ」「以前のスタンスの方が良かった」「個別指導希望」などありましたら,お問い合わせか,筆者のTwitterのDMまでご連絡ください。
今後とも,“条文の個性”をよろしくお願いいたします。