コラム

日本国憲法の三原則【勤労・納税・教育を受けさせる義務】

2021年2月17日

伊藤かずま

国際行政書士(第21190957号)
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今回は日本国憲法の三原則を見ていきましょう。 憲法がなんなのかあやふやな人や日本国憲法?という方は先にこちらの記事を読むことをおすすめします。

大前提として、憲法が定めるルールは誰も逆らうことが出来ないんでしたね。

つまりそれは、憲法がどのようなルールをつくり、何を大切にするのか、憲法が私達を何から守ろうとするのかによって、その国に住む国民の人生が大きく変わるということです。

では、私たちの日本が世界へ誇る日本国憲法は一体何を大切にしているのか。

それを一緒に見ていきましょう。

日本国憲法は全部で4998語から成立する文章の集まりです。

約5000語を使って103個の憲法ルールを定めています。

日本国憲法の103個のルールは全て、3つのルールに沿って定められています。

その3つのルールを日本国憲法の三原則とみんなが呼んでいます。

三原則は日本国憲法という日本にとってとても大切なルール達の根幹をなしているわけですから、日本に住んでいる以上は受験とか関係無く、知っていないとヤバい超常識です。

日本国憲法は日本のルールを定めているのと同時に私達をあらゆる脅威から守ってくれてます。

ルールが定められている以上、そこにはルールを守らなければいけないという義務が発生します。 そのかわりに義務を果たした人には世界でもトップクラスに自由に生きる権利を日本国憲法は守ってくれています。

ルールを守る人間は、ルールに守られるわけですね。

義務と権利。 いきなり堅苦しい言葉が沸いてきましたが今回は「権利」側の、私達に何の自由を日本国憲法は与えようとしているのか。

今回は、日本国憲法が守ろうとしている・大切にしているものを見ていきましょう。

まず、日本国憲法の三原則は次の通りです。

  • 平和主義
  • 国民主権
  • 基本的人権の尊重

少し難しい言葉もありますが、ひとつずつ丁寧に解説しますのでゆっくり見ていきましょう。

平和主義

これは字の通りで、日本は今後戦争はしませんよ、という意味で日本国民を戦争の脅威から守ることを意味しています。

天皇のために国民総力戦で戦争をしていた大日本帝国憲法から180度真逆の大進化を遂げましたね。

日本国憲法は前文と条文の大きく分けて2つの文章からつくられています。

前文はどんな思いで日本国憲法はできたのか、何を大切にしていくのかを説明しています

一方、条文は実際に国のルールを定めています

平和主義は3つの基本理念と言われるほど日本国憲法にとって大切な部分なので、日本は今後戦争しません!という事は前文と条文両方に書いてあります。

大事なことなので2回言うわけですね。

この平和主義も前文・条文の両方で触れられています。 特に条文の方の第9条に平和主義が書かれている事は絶対に憶えておきましょう。

日本国憲法は平和主義を掲げ、戦争をしないことを宣言しているのですが、それをどの様に実現しようとしているのでしょうか。

言うだけなら誰でも出来ます。 やらなければ意味がないわけです。

日本国憲法もちゃんと「こういう方法で戦争をもうやらないよ!」と2つの方法を次のように明記しています。

  1. 戦争の放棄
  2. 戦力の不保持

1.は戦争には参加しない・他国を攻撃しない、という意味です。 

2.は軍隊を持たないという意味です。

2.で「え?自衛隊は良いの?」と思った方はとても良く勉強されています。

自衛隊は軍隊ではありません。 しかしながら、誤解をおそれずに言うと自衛隊は戦闘機も持っていますし、戦車も持っています。

これって戦力じゃないの?って思う方もいると思います。 憲法で持ちません!って禁止している戦力を持つことは憲法違反ではないのか?という意見も日本にはたくさんあります。

実は憲法第9条は、自衛隊を持つことははOKともNGともどちらともとれる書き方で書いてあります

なので自衛隊を持つことを今も国会で議論しているのですね。 憲法の解釈で答えが変わってしまいますからね。

なぜ憲法のような大事なものがそんな曖昧な書き方で書いてあるのでしょうか。 実は憲法を作った人も、「戦争をしないためにはどこまで戦力を捨てれば良いかわからなかった」ためにわざと曖昧な言葉で書いたと言われています。

わざと曖昧に書き、色々な考えを持つ国民同士で話し合って答えを見つけてほしい…そんな憲法作成者の願いが憲法第9条には込められているのですね。

憲法に書かれている文字のとおりに考えるなら自衛隊も認めるべきではないでしょう。 しかし、自衛隊がいるからこそ他の国から戦争をしかけられることもなく私たちの今の平和な生活があるのもひとつの事実です。

みなさんも憲法第9条と自衛隊について少し考えてみてくださいね。

国民主権

主権とか言われると日常生活で使わないのでいまいち意味がつかみにくいですよね。

国民主権は簡単に言うと「日本のことは俺たち・私たち国民全員で自分たちで決めるぜー!」っていう仕組みのことです。

自分のことは自分で決める、とてもシンプルな原則ですね。

この憲法の国民主権の原則により私たちの身の回りの法律や、憲法以外のルールや仕組みは全て日本国民が決定できます。

しかし、みんながみんな好き勝手に法律を作れば世の中が混乱してしまいます。

よって国の法律を作ることができる人=国会議員をみんなで代表として選んで、その代表者達が国の法律作りをしていく方法で国民主権を実現しています。

たまにスピーカーで大声で演説している人がいますが、あれは国会議員を目指している人です。

国会議員になれば国の法律を作る以外にも大きな仕事が与えられ、本当に国を動かすことができる憧れな仕事でもあります。

国会議員になるために「私を代表者として選んでください!」とアピールしているんですね。

基本的人権の尊重

平和主義と国民主権を見てきました。 

平和主義と国民主権は4文字でコンパクトにまとめられていて、意味もイメージしやすい

ですよね。

「基本的人権の尊重」だけ8文字も有って、意味もわかりにくい言葉でとっつきにくいです。

分解して見ていくと理解できますので見ていきましょう。

基本的、というのは当たり前とか当然とか「普通なら○○だよね」って意味です。

人権というのは「人間が持っている権利」とのことです。

これらを組み合わせると「人間が持っている当然の権利」になり、これが基本的人権のことです。

人間が持っている当然の権利とはなんでしょうか。 それは、差別されない、何を考えてもOK、良心の自由、安全な生活ができる、どこに住むか自由、将来何の仕事をするか自由、財産は誰からも奪われない、などなどです。

※ここで勘違いしやすいのが「良心の自由」です。 親切にする自由ではありません。 「何を良しとするか、何を自分の主義とするか、何を自分の中でOKとするか自由」という意味です。

上記の様な、人間なら持っていて当然だよねって権利を尊重する、すなわち「日本国憲法はそれらの権利を認めて保護します」というのが基本的人権の尊重です。

当たり前のことを当たり前に認め、保護する。 当たり前なんですが、当たり前のことを守ろうとしないと、その当たり前すら守れなくなってしまうのが人間の悲しいところですね。

まとめ

日本国憲法の3原則

  • 平和主義
  • 国民主権
  • 基本的人権の尊重

日本国憲法は「戦争をしないことを世界に向け約束し、日本のことは日本国民全員で決め、人間なら当然持っている権利を国民全員に保証する」というのが3原則でした。

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