普段の生活のなかでも「国会」って耳にする機会があるので、「国会」という言葉を知っている人がほとんどだと思います。
でも国会はなにをしていてる場所なのか?となるとはっきりわからない人も少なくありません。
今回は国会がなにをしているところで、どんな人が働いているのかポイントを抑えていきましょう。
今回の記事は三権分立についてなんとなく知っていることを前提としています。 ちょっとあやしい人は下のリンク先を確認してから読み進めてみてください。
日本にただ1カ所の法律製造工場
国会は内閣・裁判所と肩を並べて、三権分立によって3つに分割した権力(立法権・司法権・行政権)のうち立法権を担当しています。
1カ所に集中すると暴走してしまう権力のうち、3分の1を任されている組織なのです。 それだけ大切な組織であるのと同時に、裏を返すとそれだけ権力を持っている組織であるとも言えます。
では、国の権力を分割したうちの立法権ってなにをできる権力なのでしょうか?
立法権という権力は、国会という組織だけが日本の法律を作ることができるという権力です。
ただし、「作った法律は日本国憲法に違反してはいけない」という制限はあります。
憲法は国のルールを定めていたんでしたね。 よって憲法は国が遵守し、従うルールということになります。
したがって、国会という法律製造工場でも憲法に逆らうことはできません。 新しく作った法律が憲法に違反している場合は新しい法律は無効になります。
以上のような憲法による制限はあるものの、日本では唯一の法律を新しく作ることができる組織、それが国会です。
以上を要約しますと、「国会は何をしているところなのか」の答えになります。
「国会は立法権を与えられ、日本で唯一新しい法律を作ることができる組織」が答えでした。
国会で働く人は国会議員
国会は3つに分割しなければならないほど強力な権力のうちのひとつ、立法権を与えられているわけですが、そんな国会で働く人はどんな人なのでしょうか。
憲法に従わなければいけないという制約はありますが、新しい法律で国のルールを定めることができるという権力は非常に強力です。
もしも私、はむ助が自由に法律を1個作っていいなら日本中の人のお給料から毎月100円寄付する法律を作って大金持ちになれるようにします笑
冗談はさておいて、法律を新しく作るという仕事はいいかげんな人には任せられないのです。 私利私欲に走ってしまう人に法律作りを任せてしまうと、日本中の人に迷惑がかかってしまう可能性があるからです。
なので国会で働き、法律作成を担当する人はある条件を満たした人しかなれません。
ある条件とは、「選挙に当選して国会議員になる」ことです。
国会議員とは選挙で国民から選ばれた代表者のことで、国会で国民を代表して働き、新しい法律を作る人たちのことです。(もちろん法律を作る以外にも仕事はありますよ)
みんなの中から「国会議員になりたいです!」と立候補した人たちの中から、私たちは多数決によって代表者を選び、その代表者たちに国の新しいルールを決めてもらっているのです。
国民による投票の多数決に勝たないと国会議員にはなれないので、周りから信頼のある人しか国会議員にはなれません。
ちなみに、国会議員には2種類あります。
みなさんが通う学校も1組,2組,3組…とかA組B組C組…のようにクラス分けされていると思います。 実は国会も2つのクラスが有って、衆議院と参議院という名前がそれぞれについています。
衆議院と参議院の2つのクラスをまとめて国会と呼びます。
つまり、(衆議院)+(参議院)=(国会)という構成をしています。
ちなみにそれぞれのクラスには定員が決まっています。
この定員の数はテストによく出ますのでしっかり憶えておきましょう。
衆議院 : 定員465名
参議院 : 定員248名
合計 : 総計713名
2019年の日本の人口は1億2500万人です。
日本中にどんなに国会議員になりたい人がいても、たった713名しか国会議員になれません。
1億2500万人のうちたったの713名の狭き門です。
約170万人に1人しか国会議員にはなれない、就職難易度は超ウルトラスーパー難関です。
そんな選ばれしエリート集団が国会議員です。
私たちが自分たちで選んだ代表者が、立法権という新しいルールを作る国の権利を担当することで、私たち国民の意思を国政に反映させやすい仕組みとなっています。
この代表者を通じて国民の考えや意思を反映させやすい仕組みを国会が持っていることを「国会は国権の最高機関」ということがありますので憶えておきましょう。