
担保物権である留置権・先取特権・質権・抵当権のうち,留置権だけは優先的弁済効力が認められないらしいけど…そもそも,優先弁済的効力ってなに?
そして,なんで留置権だけは,優先弁済的効力が認められないの?
本記事は,以上の疑問に対しての答えを解説しています。
記事の信頼性
本記事は,4ヶ月の独学で試験に一発合格した当ブログ管理人の伊藤かずまが記載しています。
現在は,現役行政書士として法律に携わる仕事をしています。
参考:独学・働きながら・4ヶ月・一発(202点)で行政書士試験に合格した勉強法
参考:筆者を4ヶ月で合格に導いた超厳選の良書たち
読者さんへの前置き
※赤文字は,行政書士・宅建・公務員試験対策として絶対に知っておくべき単語・用語・概念・考え方です
※太文字は,解説中で大切なポイントです
※本記事は,2020年4月1日施行の民法改正に対応しています
結論:留置権は,担保の目的物を手元にキープすることで間接的に支払いを促すもの
留置権に,優先弁済的効力が認められないのは,以下の2つの理由によるものです。
ひとつめは,留置権は,担保の目的物を手元にキープし,返還しないことで,債務者に間接的に支払いを促すものであるから。
ふたつめは,留置権は法定担保物権として成立し,上記のとおり,間接的に支払いを促す効力のみを有するのであり,強固な担保が欲しいのであれば,質権・抵当権の約定担保物権を,自身で設定すればよいため。
解説:強固な担保が欲しいのであれば,約定担保物権を設定すればよい
担保物権とは,物(やその物が持つ資産的価)を人質にとることで,債務が履行されなかった際の損失を担保する物権です。
担保物権の優先弁済的効力とは,債務の弁済が得られなかったとき,担保の目的物が持つ価値から,直接的に,他の債務者に優先して弁済を受けることができる効力のことです。
そして,この優先弁済的効力は,担保物権のうち先取特権・質権・抵当権にのみ認められており,留置権には認められていません。
留置権は,債務の履行がされるまで,ただ単に担保の目的物を手元にキープすることを,正当化する権利という性質のものです。
手元にキープすることを正当化し,不法占有とならないようにし,「担保の目的物を返して欲しければ,債務(金銭の支払いなど)を履行してね」と,債務者に要求できることで,”間接的に”債務の履行を促す,というのが,留置権にできることです。
また,留置権はその成立要件(民法295条1項)を満たすと,発生する法定担保物権です。
そして留置権は,法定担保物権として,前述の間接的に支払いを促す範囲でのみ,すなわち,債権者の最低限の債権保護を実現するために,その成立及び効果を認められています。
この法律の最低限の保護である留置権で満足できないのであれば,約定担保物権であり,強固な担保権である質権・抵当権を,自身で締結し成立すればよいのです。
参考文献など
この記事は以下の書籍を参考にして執筆しています。 より深く理解したい方は以下の基本書を利用して勉強してみてください。 必要な知識が体系的に整理されている良著なので,とてもオススメです。
行政書士合格を目指す方必見!
筆者が,行政書士試験に,4ヶ月の独学で・仕事をしながら・202点で一発合格したノウハウや勉強法,使用書籍を無料公開しています。
特にノウハウ集は,有料note級の1万2000文字以上の情報量で大変好評なので,是非読んでみてください!
法律系資格を本気で目指す方は予備校も視野に入れましょう!
法律系資格の合格の最短&最強ルートは誰かに教えてもらうです。
最近はオンライン授業サービスを提供している予備校が多くなってきています。
スキマ時間を有効活用できるオンライン授業が,低価格で受講可能な予備校を有効活用して,自分自身のスキル習得へ賢く投資していきましょう。
資料請求や相談面談はどこも無料なので,まずは気軽に資料請求から,合格に向けて一歩踏み出しましょう。





最後まで読んでくださりありがとうございました!