本記事は,消滅時効の全体像をわかりやすく解説しています。
- ※赤文字は,行政書士・宅建・公務員試験対策として絶対に知っておくべき単語・用語・概念・考え方です
- ※太文字は,解説中で大切なポイントです
- ※本記事は2020年4月1日施行の民法改正に対応しています
結論:民法166条が消滅時効の大原則を定める
消滅時効を定める条文の中で,民法166条が全ての大原則を定めます。
条文を整理すると,以下の図のとおりとなります。
全体像を見渡したうえで,知識を整理することが最も理解の助けになります。
解説:166条の反対解釈により,所有権は消滅時効にかからない
消滅時効とは,権利を,一定期間行使しないと,その権利を行使できなくなる制度のことです。
消滅時効は,166条が大原則を定め,167~169条・724条たちなどが,その例外を定める,というかたちで民法典に定められています。
そのため,消滅時効は,166条の理解が最重要になります。 所有権が消滅時効にかからないことも,166条の反対解釈から導かれます。
166条を整理してみましょう。
1 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から10年間行使しないとき。
2 債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から20年間行使しないときは、時効によって消滅する。
3 (本記事では略)
民法166条
まず,166条1項における主語は『債権』であり,その場合は主観的期間で5年・客観的期間で10年の時間経過で,消滅時効効果が発動します。
次に166条2項における主語は『債権又は所有権以外の財産権』であり,その場合は客観的期間で20年の時間経過で,消滅時効効果が発動します。
“債権又は所有権以外の財産権”とは,地上権・地役権など物権たちのことであり,物権故に,その保護要請は強いです。 したがって,主観的期間は設けられず, 20年という長い客観的期間のみが設定されています。
また,166条に明文はありませんが,『全ての権利 – 債権 – 債権又は所有権以外』を計算すると,残る権利は『所有権』のみです。
166条1項と2項において,所有権については言及されておらず,主観的期間も客観的期間も定められていません。
したがって,166条1項と2項を反対解釈すると,所有権は消滅時効にかからないということです。
以上をまとめると,次の図のとおりです。
解説はここまでです。 読んで頂きありがとうございました!
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※前条の解説はこちらです。
※次条の解説はこちらです。
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