本記事は,民法の付合・混和の定義と,付合・混和が発生した際の所有権の帰属について解説しています。
※赤文字は,行政書士・宅建・公務員試験対策として絶対に知っておくべき単語・用語・概念・考え方です
※太文字は,解説中で大切なポイントです
※本記事は2020年4月1日施行の民法改正に対応しています
結論:付合や混和の所有権の帰属先は,微糖コーヒーとカフェオレをイメージすると憶えやすい
付合と混和の定義
付合とは,2つ以上の物が分離不可能な状態になったことをいいます。
混和とは,2つ以上の物が混ざり合って識別不能状態となったことをいいます。
付合・混和発生時の生成物の所有権帰属先
※以下は混和パターンで記載
・主従がある場合
Aさんのコーヒー(主)と,Bさんの砂糖(従)が混ざって出来た微糖コーヒーの所有権は,主たるAさん
・主従がない場合
Aさんのコーヒー100mlと,Bさんのミルク100mlが混ざって出来たカフェオレの所有権は,白黒つけず共有
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解説:付合も混和も,主従関係を意識する
付合や混和した際の,所有権の帰属は,合成物が発生する前の物の主従関係で決まります。
元々の物に主従関係がある場合は,合成物の所有権は主の方に,主従関係がない場合は,合成物の所有権は共有となります。
ちなみに,共有割合は,付合・混和前のそれぞれの物の価格の割合に従います。
これは,言葉よりは具体例で憶えてしまっておくのが一番です。
僕は,『微糖コーヒー』と『白黒つけないカフェオーレ』を合言葉にして覚えました。
まず,主従関係がある場合は,『微糖コーヒー』です。
微糖コーヒーは,コーヒーがメインで,微糖がサブであることはイメージしやすいと思います。(砂糖がメインで,コーヒーがサブな人いない…ですよね…? いたら糖尿病になりそう…)
この場合,合成物である微糖コーヒーの所有権は,コーヒーの持ち主に帰属します。
次に,主従関係がない場合は,『白黒つけないカフェオーレ』です。
カフェオレは,同量のコーヒーとミルクを混ぜて作る工程をイメージしてください。
この場合,合成物であるカフェオレの所有権は,コーヒーの所有者とミルクの所有者との共有となります。
つまり,どちらか片方のものにするではなく,白黒つけずに共有とするわけです。
最後まで読んでくださりありがとうございました。