第1節 総則

民法915条:相続するかしないか,相続を知ってから3か月の熟慮期間

2022年5月23日

伊藤かずま

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国際行政書士(第21190957号)
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ウリム

相続が発生したら,“知ってから”3か月の間に,相続するか放棄するか決定しなければいけないことはテキストで読みました。

なんで“知ってから”3か月なの? 相続発生した時から3か月でよくない?

本記事は,相続の熟慮期間と,その起算点について解説しています。

 

記事の信頼性

本記事は,4ヶ月の独学で試験に一発合格した当ブログ管理人の伊藤かずまが記載しています。
現在は,現役行政書士として法律に携わる仕事をしています。

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読者さんへの前置き

赤文字は,行政書士・宅建・公務員試験対策として絶対に知っておくべき単語・用語・概念・考え方です
太文字は,解説中で大切なポイントです
※本記事は,2020年4月1日施行の民法改正に対応しています

 

条文趣旨:熟慮期間を設けることで,被相続人の一切を相続するか考慮する機会を確保する

1 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。

2 相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。

第915条 【相続の承認又は放棄をすべき期間】

相続人は,自分が関係する相続が発生したことを知った時から3か月間,相続をするか,放棄するかを考慮することができます。 この期間を熟慮期間と言います。

相続は,プラスだけでなくマイナスの財産(借金など)も,全てを包括的に承継します。

 

したがって,相続は財産や権利関係に大きな影響を与えるので,慎重に判断すべきものです。 このことから熟慮期間を設け,相続人に慎重を期させることが,本条の目的です。

“知った時から”3か月であるのは,相続の発生を知らないうちに,相続する権利を期間超過で失うことのないように,という配慮からです。

 

解説:相続の承認・放棄を,相続開始前にすることもできない

条文を素直に読むと,相続の承認や放棄を判断できる期間は,以下のとおりです。

  • 始期:自分が関係する相続の開始があったことを知った時
  • 終期:始期から3か月後

相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。

民法915条 本文

終期を過ぎたら,期限切れなので,相続の承認も放棄もNGなのはイメージしやすいと思います。

では,始期より前,つまり被相続人が生前の間に,相続の承認や放棄は可能でしょうか?

 

答えは,事前の,相続の承認も放棄も,出来ません

 

理由は,被相続人が生前の時から相続の放棄などが出来てしまうと…,

被相続人「おい,お前,俺の遺産は,びた一文渡さねぇからな? ここに,『私は,相続を放棄することを誓います』って,一筆書け」

相続人「はい…。」

というように,相続人の意思に反する放棄などを強要されるおそれがあるためです。

 

遺産は,遺された相続人にとっては,大切な生活資源の側面もあります

したがって,相続人は相続をすることを自己決定する権利(もちろん放棄することを自己決定する権利も)を保有しています。

この権利や,相続人の立場を保護するため,事前の相続承認や放棄はできないと,民法が定めています。

結局,整理すると,相続の承認・放棄は,相続発生を知った時~3か月後でしか出来ない,ということです。

 

参考文献など

この記事は以下の書籍を参考にして執筆しています。 より深く理解したい方は以下の基本書を利用して勉強してみてください。 必要な知識が体系的に整理されている良著なので,とてもオススメです。

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最後まで読んでくださりありがとうございました!

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