第1編 総則

民法1条:基本原則とは?【民法の全ての条文を束ねる -Top of Top-】

2021年2月19日

伊藤かずま

国際行政書士(第21190957号)
宅地建物取引士合格(未登録)
国際結婚/在留VISA/永住者/定住者/帰化は,是非お気軽にウィステリア国際行政書士事務所までご連絡ください。

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初学者&独学&4ヶ月&一発合格(202点)で行政書士試験に合格しました。
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①私権は、公共の福祉に適合しなければならない。

②権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。

③権利の濫用は、これを許さない。

第1条【基本原則】

性格

1000条以上に及ぶ民法の各条文を貫く解釈及び原則を定めている、民法条文のリーダー的存在。

民法のトップオブトップ。 

条文文字数が少ないことから、多くを語らず、背中で語ってみんなを引っ張る寡黙なリーダータイプですね。 それでいて、民法を文字通りだけで適用することを許さない柔軟性を有しているイケメンです。

能力

①私権は、公共の福祉に適合しなければならない。

私権というのは、私達一般国民が持っている権利のことです。

公共の福祉は、このラインを越えたら他人の迷惑になったり、他人の権利を侵害しますよという限界ラインのことです。

つまり、1条1項は「全ての民法条文は、いくら権利として認められていても、他人の迷惑になるようなら、その権利を認めないこともあるよ」という留保を確保しています。

②権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。

信義誠実の原則と呼ばれる法律界では超重要原則を司る条文です。

信義誠実の原則とは、簡単にいうと「権利を主張するとき、義務を果たすときは、相手の信頼を裏切らないように行いなさい」という原則です。

③権利の濫用は、これを許さない。

見た目や、条文を単純に事例に当てはめれば、正当な権利を有して行使しているように見えても、相手に大きな損害を与えたり、その行使が社会的な常識から逸脱する場合に、正当な権利の行使であっても許さないとするルールです。

つまり、「いくら自分が正しいからって、非常識なことは許さないよ」ということを戒めている条文です。

有名な判例に宇奈月温泉事件があります。

筆者コメント

民法で一番好きな条文です。

民法の先頭の1条の1項に真っ先に「公共の福祉」って出てくるあたり、日本国憲法のDNAを誠実に受け継いでいる感じがしますね。

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