第1編 総則

【日本国憲法と民法1条の参謀役】民法2条:解釈基準をわかりやすく解説

2021年2月20日

伊藤かずま

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国際行政書士(第21190957号)
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初学者&独学&4ヶ月&一発合格(202点)で行政書士試験に合格しました。
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この法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等を旨として、解釈しなければならない。

民法 第2条【解釈基準】

性格

日本国憲法と民法1条【基本原則】の忠実な右腕、参謀的・秘書的ポジション。

民法1条と同じく、民法各条文に対して影響を与えるタイプの条文です。 

個人の尊重と平等という、日本の法律界のボスである日本国憲法が大切にする理念を、民法でもしっかり保護しようとしています。 その保護対象からすると、平等主義者のような落ち着いた雰囲気ですね。

立ち位置は、名探偵コナンでいうところの、日本国憲法が「あの方」に対して、民法1条と2条がラムやジンあたりでしょうか。(こちらは悪い組織ですが…)

能力

民法の全ての条文を適用・考慮する際、個人の尊厳と本質的平等を必ず考慮することを要請しています。

個人の尊厳

「個人の尊厳」と言うと少し固い言い回しですが、要するに国民の一人一人に人権があることを忘れるな、ということを戒めています。

つまり、あの人は性格がいいから民法XX条の権利は使える、この条文は納税者にだけ有効ということにしよう、と言った解釈は許さないということです。

男女の本質的平等

つまり、男女平等のことです。

民法の親族編あたりは、性別によって指定された条文が存在しますが、その為の権利の使用や行使する際の主体として考えるとき、男女で差は無いよ、ということです。

行政書士試験では知っておきたいですが、「平等」と言うと絶対的平等相対的平等の2種類の平等が存在します。

絶対的平等:差異を考慮せず、いかなる差別的取り扱いを許さず、全ての人への扱いを機械的に行うとする平等

→例:日本国民は誰であっても、一人あたり一律10万円の給付金を支給する

相対的平等:差異を考慮し、各々の人の特性や能力に応じて違う取り扱いを行い、結果が均等な状態にしようとする平等

→例:日本国民は全員から、一人あたり20%の所得税を課す(貧困な人は納税額が低く、裕福な人は納税額が多くなる差異はあるが、結果としては全員に20%の納税を平等に課している)

上記は憲法14条の学習で必ずお世話になる概念ですね。

筆者コメント

民法1条と2条は、民法3条以下と比べて一段上にいるような、良い意味の異質感がありますね。

2条は人権や男女平等をその条文に含んでいる分、特に憲法との繋がりが強い印象です。

行政法に属する公法系法律と違い、民法はお互いに対等な権利主体同士の法律関係を治めている前提があります

そのため、この2条のような権利主体を平等に扱う断りは非常に重要な存在だと思います。

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