本記事は,無権代理と表見代理の違いをわかりやすくまとめています。
※赤文字は,試験対策として絶対に知っておくべき単語・用語・概念・考え方です
※太文字は,解説中で大切なポイントです
※本記事は2020年4月1日施行の民法改正に対応しています
結論:表見代理は無権代理の仲間
無権代理の一部分が,表見代理です。 すなわち,表見代理は無権代理の仲間です。
【代理分野 全体図】
解説:表見代理の本質は無権代理だが,時と場合で有効な代理になる存在
結論に掲載した図が全てですが,改めて代理分野の全体を俯瞰しましょう。
前提として無権代理とは,代理権も無いのに代理行為をすることです。 これをしっかり頭に入れて,代理分野全体を俯瞰していきましょう。
まず,代理の中に,無権代理(代理権も無いのに代理行為をしてしまった)が存在します。
皆さまがお手元のテキストで勉強を進めると,無権代理の概念が登場すると,自己契約や双方代理,表見代理などが軒並み押し寄せてきます。 これらは,全て無権代理の一部です。
少し勘違いしやすいですが,上図の☆マークの名も無き無権代理名前も無きがスタンダードかつベーシックな無権代理です。
自己契約や双方代理,表見代理たちは名前のついた無権代理たちです。
表見代理を勉強し始めると,良く陥るのが「無権代理と表見代理の違いってなんだ?」です。
まず,第一に,表見代理は無権代理の仲間の一部です。
ところが,表見代理は無権代理であるのに,場合によっては有効な代理として扱われることがあるのが,表見代理の大きな特徴です。
表見代理においても,代理行為をした人には有効な代理権はありません。
しかし,表見代理は「無権代理の外観について,本人側にも落ち度がある」という,他の無権代理にはない事情が存在します。
そのため,表見代理が発生したときに,その取扱いをどうするか,という論点をそこそこのボリュームで基本書やテキスト内で取り扱うため,無権代理と表見代理の違いがごっちゃになるのだと思います。
以下のポイントをおさえ,全体を俯瞰して知識のマップを頭の中にいれておきましょう。
- 表見代理の本質は無権代理であり,無権代理の仲間
- 表見代理は本人側にも落ち度があり,場合によっては有効な代理として扱われるという他の無権代理にはない大きな特徴がある
最後まで読んでくださりありがとうございました。