第2節 意思表示

民法:強迫の要件 完全に意思の自由を失っている必要はない 判例(最判昭33.7.1)

2022年3月14日

伊藤かずま

国際行政書士(第21190957号)
宅地建物取引士合格(未登録)
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本記事は,強迫の要件として,強迫により意思表示の自由を完全に失っている必要があるのか,をわかりやすくまとめています。

赤文字は,試験対策として絶対に知っておくべき単語・用語・概念・考え方です

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※本記事は2020年4月1日施行の民法改正に対応しています

まとめ

強迫が認められるためには,強迫により完全に意思の自由を失っている必要はありません

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※Twitterの条数が間違ってます...すみません

解説

強迫とは,他人を畏怖させ,それによって意思表示させることです。

強迫によって意思表示をした人は,自分の自由意思で意思表示していないため,当該意思表示を取消すことができます。(民法96条1項)

詐欺又は強迫による意思表示は,取り消すことができる。

民法96条1項

では,どの程度の強迫が行われた場合に取り消しが可能になるのでしょうか?

強迫による意思表示が取り消せる趣旨は,意思表示者が畏怖によって,自分の意思で意思表示していないところにあります

したがって,『どの程度の強迫が行われた場合に取り消しが可能になるか』という問題は,『強迫によって,どの程度意思表示をする意思の自由を喪失したら,意思表示を取り消すことができるのか』という問題といえます。

これの答えは,最判昭33.7.1の判例の中にあります。

強迫が認められるためには,表意者が畏怖のため完全に意思の自由を失ったことを要せず,相手方の強迫により完全に意思の自由を失っている状態で意思表示がなされた場合,その意思表示は当然に無効となる。

最判昭33.7.1

つまり,強迫が認められるためには,完全に意思の自由を失っている必要はないということです。

むしろ,完全に意思の自由を失っている場合は,判例は,当然に意思表示は無効となると言っているため,民法3条の2の出番であると考えるべきです。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

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