本記事は,囲繞地通行権の通行ルールについて解説しています。
記事の信頼性
本記事は,4ヶ月の独学で試験に一発合格した当ブログの管理人が記載しています。
現在は,現役行政書士として法律に携わる仕事をしています。
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読者さんへの前置き
※赤文字は,試験対策として絶対に知っておくべき単語・用語・概念・考え方,その他重要ポイントです
※太文字は,解説中で大切なポイントです
※本記事は,2020年4月1日施行の民法改正に対応しています
条文趣旨:囲繞地通行権で認められる通行ルートは,必要最低限のもの
1 前条の場合には、通行の場所及び方法は、同条の規定による通行権を有する者のために必要であり、かつ、他の土地のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。
2 前条の規定による通行権を有する者は、必要があるときは、通路を開設することができる。
民法211条
211条1項の『前条の場合には』は,210条の“囲繞地通行権が認められる場合”を指します。
囲繞地通行権が認められる場合,通行権者は,他の土地を必要最低限の通行で利用しなければいけません。
下図のAならば,赤矢印のルートで公道にでなければいけません。 黒矢印たちはダメな例です。
以下は,もっとダメなパターンです。
解説:他人の土地の所有権を制限するのだから,その制限は最小限とすべき
囲繞地通行権は,本来は使用することはできない他人の所有する土地を,特別に利用させてもらえる権利です。
囲繞地通行権という権利が認められるのは,利用価値の無い土地の発生を防止し,限りある土地を有効活用するという経済的観点からの要請によるものです。
囲繞地通行権者は,あくまでも他人の土地を使わせてもらう立場です。
そのため,囲繞地の土地の所有者が受忍しなければいけない義務(他人が自分の土地を通行すること許す義務)は,必要最低限にするべきです。
そこで,民法211条は,囲繞地通行権者は,公道に出るための通行は,必要最低限の他人の土地利用で行うことを課しました。
1 前条の場合には、通行の場所及び方法は、同条の規定による通行権を有する者のために必要であり、かつ、他の土地のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。
民法211条1項
具体的には,下図の赤矢印が,民法211条が認める通行です。 黒矢印は,距離も長かったり,複数の他人の土地を通行していたりで,必要最低限の通行ではないのでNGです。
最悪な場合として,「俺には囲繞地通行権があるんだー! ウェーイ! フゥーー!」って感じで調子に乗って,下図みたいな蛇行通行した場合は,囲繞地通行権違反であり,不法行為に該当します。
また,211条2項は囲繞地を通行する権利を保有する者は,必要があれば通路を開設することを認めています。
例えば,通行させてもらう土地の庭が立木や雑草だらけで乗用車の出し入れが出来ない場合に,整地して砂利を敷き詰めたりして私道をつくるようなことをしてOKということです。
※”通路”・”通路開設”については,以下で解説しています。 併せて確認しておきましょう!
参考文献など
この記事は以下の書籍を参考にして執筆しています。 より深く理解したい方は以下の基本書を利用して勉強してみてください。 必要な知識が体系的に整理されている良著なので,とてもオススメです。
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