第2節 取得時効

民法164条:取得時効は,占有を失うとリセット(更新)される

2022年5月26日

伊藤かずま

【※お知らせ】 2022年8月現在,しばらくの間,サイト改修のため,一部レイアウトなどが崩れている箇所があります。 読者様のブラウザに異常はありませんのでご安心ください。 【仕事】行政書士 (第21190957号) / ロゴデザイナー / 行政書士試験講師 【趣味】旅行 【目標】世界一周 / 司法試験合格

本記事は,民法164条の,占有喪失による取得時効のリセット(更新)について解説しています。

記事の信頼性

本記事は,4ヶ月の独学で試験に一発合格した筆者が記載しています。
現在は,現役行政書士として法律に携わる仕事をしています。

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読者さんへの前置き

赤文字は,行政書士・宅建・公務員試験対策として絶対に知っておくべき単語・用語・概念・考え方です
太文字は,解説中で大切なポイントです
※本記事は2020年4月1日施行の民法改正に対応しています

条文趣旨:取得時効は,占有を失うとリセットされる

第162条の規定による時効は、占有者が任意にその占有を中止し、又は他人によってその占有を奪われたときは、中断する。

↓ 書き換え

第162条の規定による取得時効は、占有者が任意にその占有を中止し、又は他人によってその占有を奪われたときは、中断更新する。

↓書き換え

取得時効は、占有者が任意にその占有を中止し、又は他人によってその占有を奪われたときは、更新する。

民法164条 【占有の中止等による取得時効の中断】

取得時効の成立には,民法162条に規定されている各要件を満たす必要があります。

その各要件のうち,一定期間の占有継続の要件は,民法164条の本条に規定されているとおり,占有が中止されるか奪われた時は,占有期間の進行がリセットされます

リセットというのは,時効の更新を意味します。(※この点,後述の解説を参照)

至極当然と言える要件を定めているのが,本条164条です。

 

※民法162条は,こちらの記事で要件や推定される・されないについて詳しく解説していますので,併せて確認してみてください。

解説:『中断』という表現が残る,数少ない条文

2020年の民法大改正において,時効の完成を妨げる事象(『時効障害』と言ったりします)が,“停止・中断”から“完成猶予・更新”に名称変更され,整理し直されました。

あれ? でも民法164条には『中断』って書いてありますね…。

あらゆる条文たちが,“完成猶予・更新”に改正されているのですが,実は以下のとおり,164条と290条のふたつは,なぜか『中断』という表現が残っています。

引用: 法令リード 民法

一応,164条・290条ともに,“更新”(時効進行がリセットされ,最初から時効期間進行し直す)を意味しているとされています

参考文献など

この記事は以下の書籍を参考にして執筆しています。 より深く理解したい方は以下の基本書を利用して勉強してみてください。 必要な知識が体系的に整理されている良著なので,とてもオススメです。

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